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劇評 「逆襲のめぐにあきSHOW 第一幕『濁流』」

ようやく落ち着いて書く時間ができたので。
昨日観に行った「濁流」の感想。

文句無く面白く、一回目は久々に物語に没入してしまい役者がどうとか演出がどうとか見ることができなかった。
ただひたすら目の前で起こる家族の物語を追いかけていた。

二回目になってようやく個々の演技を見る余裕ができた。
しかし必死に粗探しをしようとしたが、中盤以降はそんなことも忘れて夢中になってしまった。


舞台は、経済成長期から取り残されたとある山村に暮らす四十川家。
大学生・修は、父の伝手でそこに下宿を始めることになったが…?

一人の部外者の参入により、
不条理なルールの下
絶妙な均衡の上に
成り立っていた家族は、
崩壊していく--

(公式blogより)



両親と高校生の娘、小学生の息子。
一見普通の4人家族。しかし屋根裏には頭の足りない母親の双子の妹が隠され、父親は彼女を夜な夜な襲う。
屋根裏から聞こえる音から逃げるため母親は毎晩酒(みりん)浸り。
真面目だった高校生の娘は無愛想な不良に。子供たちは友達の家で遊ぶ事を許されない。

いびつで狂った家族。果たしてそれだけだろうか。
彼らは家族に、自分に、多くの問題を隠し目をそむけ生きている。
親やきょうだい、夫や妻に全く何も隠さず誤摩化さず嘘付かず暮らしている家なんてそうそうない。
もしそんな家があったら「あーそれは幸せですねよかったね」としか言えない。

世間から隠され外に出る事を許されない代わりに、極端に親に大事にされた妹。
ほしい物は全て妹に奪われ我慢を強いられてきた姉。
互いが互いを羨むコンプレックス。
これは特殊な話かもしれない。
しかし自分より他のきょうだいの方が大切にされているように感じ、親の愛情を自分だけが受けたいと思ったことのある人は多いはずだ。


私も四十川家の人間と変わらない。
狂った家族の物語ではなく、普遍的な家族の物語だ。
そう思った。


母親・取利子と妹・比南子の子供時代の日記を読み合うシーンがすごく印象的だった。
二人が向かい合って手遊びをするのだが、スカートの丈と身長がぴったり同じで鏡映しのように見えたのが良かった。

豪雨の降る中、いなくなった比南子と小学生の息子が帰ってきたところは泣きそうになった。
停電による暗闇にドアを叩く音が響く。
二人が帰って来たことが予想できても、明かりが付いた瞬間に安堵してしまう。
あんなに憎んで何度も遠くに置き去りにした比南子を抱きしめる取利子。
心が締め付けられた。

ラストシーンはハッピーエンド、一見家族が仲良くなったように見える。
しかし「少しマシになった」だけで根本的に問題が解決したわけではないように感じた。
これからどう転がるかはわからない、そんな余韻。
明確な答えを出さないところも好きだ。


舞台美術・照明も素晴らしかった。
具象舞台はどんなにゴミが散らばっても汚く見えないのがいい。
こたつやら縁側やらで殴ったりはねたり転がったりするのもいいですね。
そしてみんな奇麗に動けていたのもすごかった。


期待を裏切らない、素晴らしい舞台だった。
5連続企画のスタートに相応しい良質の演劇。
正直、対抗心を燃やしている。負けられない。
だからこの団体、特に作演出のめぐみ女史には絶対また書いてほしい。演出してほしい。
楽しみにいつまでも待っていようと思います。
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テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:あずぼーいず
ネットに汚染された脳みそを持つ女・あさもずあずさの立ち上げた演劇集団。萌えとかBLとかオタクとか、そんなのを取り上げながら現代社会を風刺したりする…つもりは全くなく、リビドーの赴くまま好き勝手やってます。

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